■「いま」だけを生きていませんか?
社長は、重要な役割を担っています。
そのなかでも、もっとも大切な仕事は、「決めること」です。
まさに会社経営は、日々決断の連続です。
「いま」を必死にがんばる社⻑は、素晴らしいと思います。
ただ、社⻑も年齢によって考え方が変わって然るべきです。
なぜなら、40代から50代になるときや、50代から60代になるときに出てくる問題は、まったく異なるからです。
40 〜50代に差し掛かったとき、おそらく優先順位は「会社をもっと成⻑させること」でしょう。
それが60代になると、「誰に承継するか」に関心が高まってきます。
おすすめは、ある時点で考えていることを書き残しておき、数年経ったところで振り
返る機会を持つことです。
事業計画と一緒に「人生プラン」を考えてみると、とてもわかりやすいのではない
でしょうか。
あなたが人生を賭けて大切にしている会社は、ご自身の人生観とつながっている事
業を行っているはずです。
人生プランも交えて、10年に一度は事業方針を考えてみませんか。
とくに60代になるときは、あなたの人生の総決算に向けて考え始めるべきタイミングです。
年金受給、勇退、勇退後の人生…と、考えることがたくさんありますよ。
■もらいそびれがないか見直す
多くの社長は、会社の収支をしっかりと押さえていても、個人や家庭の収支まで押さえていないものです。
これは、余ったお金があると、会社へ注ぎ込んでしまう人が多いからなのかもしれま
せん。
それだけ、大切に思っているということですね。
ただ、社⻑の退任後、国の年金だけで同じ暮らしを続けるのは困難でしょう。
「収入に応じた暮らしをすればいい」と頭ではわかっていても、急に生活を縮小する
ことは難しいのが現状です。
不動産や株式などの資産として、役員報酬を受け取っているうちに残しておくに越
したことはありません。
かならず、「年金プラスアルファ」の備えをしておくことが得策です。
また、収入の多い社長は、国の年金ももらいそびれることがほとんどです。
増やすのも大切ですが、本来もらうべきものをしっかりと受け取ることも、大切な
ことなのです。ご自身もまわりの大切な人たちも豊かであるために、ぜひ、見直してみてください。
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