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2025.4.07

社長にこそ知ってほしい、在職老齢年金にありがちな勘違い

■本当に在職老齢年金によって受け取れなかった年金は取り戻せない?


年金には、多くの方が誤った理解をしている「勘違いポイント」があります。

今回は、社長の年金最大のポイントである「在職老齢年金」からお伝えしましょう。




さまざまな社長から、

「65歳から受け取れないのなら、退任まで繰り下げして、

 割り増しになった年金を受け取れないのか?」

と、質問をいただくことがあります。


答えは、残念ながらできません…。



以前のブログでもお伝えした通り、

年金の繰り下げは年金受け取りの請求をした時点の月数で算定されます。

しかし、その算定において「年金を受け取る権利がない期間」は、

割り増しの対象とはならないのです。




在職老齢年金によって受け取れなかった年金を取り戻すことができないだけではなく、

受け取れなかった期間の繰り下げによる年金の増額もできません。



多くの社長が、

「せっかく長年年金保険料を納めてきたのに、納得いかない…」

と感じているでしょう。



実際、「話が違う!」「そんな話は聞いていない!」

と怒ってしまう方も、少なくないのです。


でも、わかりにくくても制度は制度なので、

資産を増やすには知識で武装するしかありません。


年金は、そういった分野だと理解しておくことが必要です。





■在職老齢年金と基礎年金の関係性


在職老齢年金という制度があることは知っていても、

支給停止の範囲までしっかりと把握している社長は少数です。



多いのは、「役員報酬が高いと、国の年金は一切もらえない」

と勘違いしているケースです。


公的年金は基礎年金、厚生年金の2階建てになっています。

1階部分の基礎年金は20歳以上の国民全員が加入するものであり、

2階部分の厚生年金は会社員や公務員が加入する年金制度です。



そして、在職老齢年金で支給停止がかかるのは、

厚生年金(報酬比例部分)だけなので、

基礎年金には支給停止が影響しません(経過的加算は支給停止の対象外です)。


つまり、基礎年金には調整がかからないため、

勘違いしてもらえないと思い込んで受け取りの申請を怠ると、

本来もらえるはずの基礎年金を受け取ることができなくなります。



もっとも、65歳を数年過ぎた段階で申請しても、

申請までの期間に対応する年金を諦めなくて大丈夫です。



遡ってもらうこともできますし、

申請した時点までの月数で増額された年金を受け取り始めることもできます。



一方で、支給停止になった在職老齢年金を、

あとからもらえることはありません。


この点を勘違いしている人が非常に多いので、

間違えないように、きちんと把握しましょう。






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